ユンディ・リ オールショパン ピアノリサイタル
2010年4月



         
今年はショパン生誕200年記念にあたり
         ショパンを冠につけたコンサートが目につきます。
         1ヶ月前にも同じシンフォニーホールで若き3人のショパンを聞きました。
         そして、4月17日 ユンディ・リ (日本には、何回か来ている)
         世界各地を精力的に訪れ、世界の人々を魅了し続けている中国のピアニスト。28才。
         5年ごとに開催されるショパンコンクールの2000年第14回、第1位優勝者。
         このとき、18才で、最年少優勝。さらに15年間、第1位不在の後のことで、話題になった。

この写真は、余りにも美しい。
           実際はこんなにシャープではなく、童顔で優しい感じ。 
       



         「この時代において、最も詩情と貴族の気質を持った」 
         「ショパンのスタイルを完璧に把握し、最も詩情を持つ表現が出来る」
         「最高の音色とベストの技術を表現できる」 【以上、プログラムより】
         ピアニストと、審査団が絶賛。
         実際、あのシンフォニーホールの3階まで満席にし、立ち見まで出た。
         ノクターン 第1番、第2番、第5番・・・
         繊細で暖かく、語りかけるように又、せきたてるように
         あふれんばかりの思いを、透き通るような音に乗せる。

         一方、最後のポロネーズ「英雄」の勇壮な演奏に
         ピアノ一台とは思えない、まるでオーケストラ並みの力強い音量を感じた。

         「私は作品に、21世紀の息吹を吹き込み、ほかとは違う新しいショパンをお届けしたいと思います」
         彼の言葉通り、今まで聞いたショパンとは、雰囲気が違った。
         その曲の中に吸い込まれて、いつの間にか、そこに自分が同化していた。
         ルックス・物腰・笑顔・演奏している姿・・・どれをとってもスマートで、品位が感じられた。



         日本の北から南まで、この4月だけで、12回もの演奏会が予定されている。
         多くの人々が待っているとはいえ、過酷なスケジュールが
         何らかの形でマイナスにならなければよいが・・・。